この記事の内容
- 初期費用で払わなくていい5つの項目
- 初期費用を安くする3つの方法
- 初期費用に関するよくあるQ&A
入居する時の初期費用で払わなくていい項目ってあるの?
なにも考えてなくて初期費用を全部払ってしまって後悔している。
賃貸の初期費用は新しく住む家賃の5倍~6倍が目安となっています。例えば家賃8万円の場合40万円~48万円が相場になります。そうはいっても
- 初期費用で払わなくていい項目はないの?
- できるなら初期費用を安くしたい
そう考える人は多いのではないでしょうか?実際50万円近いお金を準備するのは大変ですね。
そこで当記事は「初期費用で払わなくていい5つの項目!」を現役の不動産大家が解説します。この記事を読めば、必要最低限の項目が分かり、費用を最小限にすることができます。
記事を読み終わる頃には、初期費用の無駄を完全に省いた部屋探しをすることができるよ。
記事を読んで分かる3つのこと
- 初期費用で払わなくていい5つの項目
- 初期費用を安くする3つの方法
- 初期費用に関するよくあるQ&A
初期費用を安くする方法について知りたい人はこの記事がおすすめです。
しょう×不動産大家ライター
⌂東京23区に不動産を持つ大家
賃貸経営4年目・年間家賃300万円
〇保有する資格
FP2級・証券外務員Ⅰ種
SNSのX(旧Twitter)で部屋探しに役立つ情報を発信しています。
気になる記事があれば、目次をタップするとすぐに本文が読めます。
初期費用で払わなくていいもの5選
この章では、初期費用で払わなくていい項目を5つ紹介します。賃貸物件を借りる際は、敷金や礼金などさまざまな費用がかかりますが、中には払う必要のないものや減額できる費用もあります。実際に筆者も払わずに入居できた経験があるので参考になると思います。
初期費用を払わなくていい項目5つは以下の通りです。
賃貸契約時の相見積もりについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
事務手数料
初期費用の中に事務手数料と記載があったら払わなくていい項目です。なぜかと言うと、不動産会社への報酬は、すべて仲介手数料に含まれるからです。
仲介手数料について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
つまり、仲介手数料を支払うので新たな項目で事務手数料を払う必要は全くありません。もし費用の項目に事務手数料の記載があったら「この費用は具体的にどんな費用ですか」と質問してみましょう。回答が曖昧だったり支払いを強要された場合は不動産会社を変更する方法もあります。
不動産屋の扱う物件は約8割同じだから安心して変更して大丈夫だよ。
住宅用消火器
そもそも住宅用消火器は新しく購入する必要性が低いです。なぜかと言うと、入居する建物の廊下や階段部分に設置されているからです。消防法では、延べ面積150㎡以上の共同住宅(賃貸アパートやマンション)には消火器を設置する義務を設けています。
消火器又は簡易消火用具(以下「消火器具」という。)は、次に掲げる防火対象物又はその部分に設置するものとする。一 別表第一(一)項イ、(二)項、(六)項ロ、(十六の二)項、(十六の三)項、(十七)項及び(二十)項に掲げる防火対象物二 別表第一(一)項ロ、(三)項から(五)項まで、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項並びに(十二)項から(十四)項までに掲げる防火対象物で、延べ面積が百五十平方メートル以上のもの
消火器の設置対象物 消防法施行令第10条 – Wikibooks
※共同住宅は5項(ロ)になります。
つまり、部屋がとてつもなく大きくて廊下まで時間がかかる場合や、手元に消火器がないと落ち着いて夜も眠れない人以外は不要です。
どうしても欲しい人は不動産会社で買わずに近くのホームセンターかネット通販で買った方がいいよ。
除菌・消臭費
除菌・消臭費とは、退去後のクリーニング費用と別に請求される費用ですがほとんどの場合で払う必要がありません。いえ、正確には「やらなくていい作業」です。理由は、除菌消臭といっても消臭スプレーさっとするくらいだからです。中にはスプレーすらしないで金額を請求する場合もあります。除菌消臭費の関する件で、2018年に有名な事件が発生しました。
2018年12月16日20時29分頃、札幌市豊平区平岸の「アパマンショップ平岸駅前店」(運営はAPAMAN子会社の「アパマンショップリーシング北海道」)等が入居する木造2階建ての雑居ビル(酒井ビル)で爆発が発生。同店および隣接する居酒屋「北のさかな家 海さくら平岸店」が倒壊・炎上し、52人が負傷した。
札幌不動産仲介店舗ガス爆発事故 – Wikipedia
未使用の消臭スプレー120本を廃棄している時誤って爆発が起きたんだ。120本も在庫があるのは不自然では?と当時話題になったんだよ。
なんでも断ると不動産屋さんに嫌われたりしないかな?
不動産屋が嫌がる行動10選をまとめたので興味がある方は参考にしてください。
割高な火災保険料
火災保険は、入居中の火事や自然災害に備えて加入する保険のことです。これも不動産会社が勧める火災保険はほぼ割高な火災保険なので加入する必要はありません。「じゃあ何の火災保険に入ればいいの?」そんな質問が聞こえてきたので、コスパの良い火災保険「住まいる共済」を紹介します。
こくみん共済の「住まいる共済」の特徴
- 賃貸アパート・マンションで加入できる
- 年間の保険料は2,750円~(不動産会社の相場は年10,000円~)
- 万が一の保険金は最高1,000万円の保障
「すまいる共済」は、国民共済が運営しているので経営が安定しており、保障も充実しているのが特徴です。不動産会社が勧める火災保険は手数料が高いので、必要な保障を適切な保険料で加入したいなら「すまいる共済」がおすすめです。
ちなみに火災保険に加入しても僕には1円も入らないから安心してね。
家賃0.5ヶ月分以上の仲介手数料
仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産会社へ払う報酬のことです。「部屋探しを手伝ってくれた不動産会社への報酬にケチをつけるとは何事だ」そんな考えを持つ人もいるかもしれませんね。しかしここで言いたいのは、法律できめられた金額以上の手数料を払う必要がない、ということです。
仲介手数料の金額について、国土交通省の告示に記載してあります。(長文なので閲覧注意)
第四貸借の媒介に関する報酬の額
国土交通省(mlit.go.jp)
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の
額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)の合計額は、当該宅地又は
建物の借賃(当該貸借に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該媒介が使用貸借に係るものであ
る場合においては、当該宅地又は建物の通常の借賃をいう。以下同じ。)の一月分の一・一倍に相当す
る金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方か
ら受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たつて当該依頼者の承諾を得ている場
合を除き、借賃の一月分の〇・五五倍に相当する金額以内とする。
いったい何のことを言っているの?
要は入居者の承諾がない場合、仲介手数料は家賃の0.55ヶ月分が最大だよー、っていう意味なんだ。
以上の点から、不動産会社から家賃の0.5ヶ月分以上の手数料を請求されたら「国土交通省の告示では借主の同意がないと0.5ヶ月分ですよね?」と質問してみましょう。担当者の回答が曖昧だったり、1ヶ月分を支払うように言ってきたら不動産会社を変えた方がいいでしょう。
初期費用を安くする方法3選
初期費用を払わなくていい項目は分かったけど、そもそもの初期用を安くしたいな。
この章では初期費用を安くする方法を3つご紹介します。3つを実践すれば10万円の費用を安くすることができます。順番に見ていきましょう。
仲介手数料の安い不動産会社を選ぶ
仲介手数料は上限が決まっていますが、その中でも不動産会社で金額は異なります。最近では、仲介手数料0の不動産会社が増えてきました。そのため、わざわざ手数料の高い不動産屋に行く必要はないのかもしれません。しかも扱う物件は約8割は同じなのでなおさら安い手数料の不動産屋に行くのが良いと思います。
「不動産会社を変更したら物件が減ってしまう!」といった心配はしなくて大丈夫です。インターネットで掲載している物件はほぼ100%案内できるので安心してください。
仲介手数料無料でも余計なオプションが付いてないか必ずチェックしてね!
フリーレント付きの物件を選ぶ
フリーレントとは、入居してからの一定期間の家賃が無料になることをいいます。フリーレントのメリットは以下のの3つがあります。
- 初期費用の「前家賃」が無料になる
- 現在の家賃と新しい家賃の期間が重ならない(二重家賃)
- 引っ越しの期間にゆとりを持って取り組める
フリーレントを上手に利用すれば、初期費用にある「前家賃1ヶ月分」を全て節約することができます。フリーレント期間は物件によって異なりますが、1ヶ月~2ヶ月程度のケースが多いです。
フリーレントについて詳しく知りたい人はこの記事を参考にしてね。
フリーレントの隠れたデメリットを分かりやすく解説しています。
連帯保証人の制度を利用する
最近では入居する際に保証会社に加入するケースが増えてきています。保証会社を利用する場合、家賃の50%~100%を払わなくてはなりません。しかし連帯保証人を立てれば、保証会社を利用する必要はないので保証料を払うこともありません。「保証会社に絶対に入りたい!」という人以外は、保証人を立てた方が費用を安くできます。ただし不動産会社によっては、「保証会社の利用が必須」の場合があるので注意が必要です。なお、連帯保証人は家族や親族にしてもらうことが多いです。
不動産会社は大家さんは何かあったとき(家賃滞納など)に備えて、保証会社へ加入を勧めるよ。あくまで貸す側の思惑だから保証人を立てられないか相談してみよう。
以上が初期費用を安くする3つの方法の解説でした。是非3つのどれかを実践して、安くなったお金で美味しい食べ物やショッピングを楽しんでください!
初期費用のよくある3つの質問
ここでは初期費用のよくある質問と回答を3つ紹介します。3つ以外に「知りたいことが載っていなかった!」「聞きたいことがあるんだけど…」そんな人は、お問い合わせか公式ラインから気軽に聞いてください。必ず返信させていただきます!
初期費用はいつ払いますか?
- 初期費用はいつ払いますか?
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入居審査を通過した後、1週間~10日間で払うケースが多いです。支払い方法は現金または指定の銀行口座の振込ですることができます。不動産会社によっては、重要事項説明の後に初期費用の一部を支払わなければならない場合があります。
一人暮らしの初期費用の平均はいくらですか?
- 一人暮らしの初期費用の平均はいくらですか?
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入居する家賃によって変動しますが約50万円が平均と言われています。費用の項目は以下の通りです(家賃8万円の場合)
項目 金額 敷金 8万円~16万円(家賃1ヶ月~2カ月分) 礼金 8万円~16万円(家賃1ヶ月~2カ月分) 仲介手数料 4万円~8万円(家賃0,5ヶ月~1カ月分) 前家賃 8万円(家賃1ヶ月分) 保証料 4万円(家賃0,5ヶ月分) 火災保険料 2万円~3万円 クリーニング費 2万円~4万円 鍵交換費 2万円~3万円 除菌・消臭費 1万円~2万円 24時間サポート 1万円~2万円 住宅用消火器 3,000円~5,000円 合計 40万3,000円~66万5,000円 初期費用の項目一覧
初期費用が高すぎて払えない時はどうしたらいいですか?
- 初期費用が高すぎて払えない時はどうしたらいいですか?
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費用が払えない時は不動産会社に相談して分割払いにしてもらいましょう。不動産会社によっては初期費用の分割払いに対応している場合があります。また、あまりお勧めではありませんがクレジットカードの分割払いを利用する方法もあります。
まとめ
初期費用で払わなくていいもの5選!の解説は以上です。何も分からずに契約してしまうと余計な費用を払ってしまう可能性が高いです。今回紹介した5項目を実践してもらえば、高い確率で初期費用を節約することができます。この記事を読んだ皆さんの初期費用が適切な金額になり、新生活が素晴らしいものになるのを心から願っています。記事の最後までご覧いただき本当にありがとうございました。
この記事のまとめ
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